【教育】「心のノート」改定へ 小中の道徳用教材 記述欄を増加
新学習指導要領で道徳教育が来年度から先行実施されるのに伴い文部科学省は、全国の小中学生に配布している補助教材「心のノート」を年度内に改定する方針を決めた。児童生徒が書き込む記述欄を増加させ、来年度の授業に改定版を配布する。協力者会議(座長・中西進京都市立芸術大名誉教授)の初会合で明らかにした。
「心のノート」は道徳的価値の理解を深めるための補助教材で、平成14年度から小中学生に配布。文科省では道徳の授業などで活用するよう通知している。15年度の調査では使用率は小学で97%、中学で90%。
新指導要領では、小学1・2年で「働くことのよさ」、3・4年で「自分のよい所を伸ばす」、中学生で「多くの人々の支えにより現在の自分があることに感謝」−などの徳目を新たに取り入れており、改定作業に反映させる。
一方、文科省では先人の伝記、自然や伝統文化などを題材にした「読み物資料集」を作成する考え。同会議で検討作業を進めていくが、完成時期の目途はたっていない。
入学者が定員割れだった私立大学が昨年度から7.4ポイント増え、今年度は過去最高の47.1%だったことが、日本私立学校振興・共済事業団の調べでわかった。入学定員充足率が50%未満の私大も昨年度から12校増えて29校となり、過去最多。18歳人口の減少に加え、大規模大への志願者の集中など人気が「二極化」していることが背景という。
今年5月1日現在で573校ある私大のうち565校分を集計した。定員割れは266校(47.1%)。98年度には、定員割れは35校(8%)で、私大の経営環境が急速に悪化している状況がうかがえる。定員充足率が一番低かった私大は11.33%だった。
全体の志願者数はのべ306万2825人と前年度より約4万人増えたが、入学者の定員充足率は、定員800人以上の私大の平均値が100%を超えたのに対し、800人未満の平均値は100%を割った。
地域別では東京の定員充足率が115.65%と最も高く、最低の四国は82.76%だった。
また、私立短大(360校分を集計)の調査でも、今年度の定員割れの大学は67.5%となり、前年度より5.3ポイント増えて過去最高だった。定員充足率が50%未満の短大は前年度より11校増えて30校だった。
事業団の私立大学等経常費補助金は、学部の在籍学生数が収容定員を大きく下回る場合などは減額される。入学者の定員割れが続けば、大学の収入は学納金が減るだけでなく補助金の減額でも打撃を受ける。
法務省は29日、大学などを卒業した後に日本国内で就職した外国人留学生が2007年は1万262人(前年比24%増)に達し、初めて1万人を超えて過去最多になったと発表した。
「留学」や「就学」の在留資格から、就労を目的とする「人文知識・国際業務」や「技術」などに資格変更を申請した外国人留学生の数は1万1410人(26%増)で、こちらも過去最多となった。このうち90%が申請を許可され、就職したことになる。国・地域別では、中国が前年より1539人増え、7539人でトップだった。韓国が1109人、台湾が282人で続き、アジア諸国が97%を占めた。
同志社大(京都市)は帰国子女や外国人児童を主な対象に、日本語と英語の2カ国語教育を基本とする小学校を平成23年春、京都府木津川市に開設する方針を固めた。
大学によると、校名は「同志社インターナショナル小学校」(仮称)。1学年3クラスで、1クラスは30人の予定。
3クラスのうち、2クラスは帰国子女を含む児童が対象で六年制。1クラスは関西文化学術研究都市に勤める外国人研究者の児童らが対象で、中学2年までに相当する8年制にする方針。
同志社大は京都市内に18年、小学校を開設しており、2校目となる。
教員採用試験:日教組も調査へ 過去の不正の有無など
大分県教員採用試験を巡る汚職事件を受け、日本教職員組合中央執行委員会は29日、地方組織を対象に、過去の不正の有無などをヒアリング調査することを明らかにした。採用試験だけでなく、昇任試験も含めて調べるといい、来月上旬のとりまとめを目指す。
教員採用基準、公表が倍増 20→45教委 大分事件後
文部科学省は29日、大分県教委の汚職事件を受け全国64の都道府県・指定市教育委員会に求めていた教員採用についての調査結果を公表した。25教委が新たに採用選考基準の公表を決め、これまでの20教委から倍以上に増えた。新たな不正事例は確認されなかった。
採用選考基準の公表は文科省が以前から求めてきたが、「受験対策がしやすくなる」ことなどを理由に消極的な教委が多い。今年1月の段階で17教委が「公表」、3教委が「08年度から公表」だった。それが今回の調査では、「すべて公表」14教委、「一部公表」31教委に増えた。
公表の程度には大差がある。
福島、石川、岐阜、京都、香川、高知、鹿児島の7府県と静岡、浜松両市は、筆記や面接、実技などの配点・基準と、総合判定基準をすべて決め、公表。北海道、山形、静岡、徳島の4道県とさいたま市は、基準自体がそこまで詳細ではないが、全面公表している。一方、東京や山口は「求める教師像」などの抽象的内容にとどまる。
文科省教職員課は「公表していない教委の動向を見て、必要があれば指導したい」と話している。
教員採用試験:4割、口利き頼るかも 情報提供サイト、志望者762人アンケ
◇「事件やっぱり」7割超
「口利きを当てにしない自信はない」と「口利きしてもらいたい」で4割−−。大分県の教員採用試験を巡る汚職事件を受け、教員採用試験の情報提供サイト「NSK教採ネット」(新藤智代表)が、全国の教員志望者を対象に緊急アンケートしたところ、こんな結果が出た。
サイトは、採用試験の教材販売などを手掛ける「NSKジャパン」(東京都練馬区)が運営。調査は11〜16日に同サイト上で実施し、教員志望者762人から回答があった。
「教育委員会や校長に知り合いがいたら口利きをしてもらおうと思うか」との問いに、47・9%が「全く思わない」と答えたが、「当てにしないで済む自信はない」は33・1%、「してもらいたい」も7・2%あった。事件については「やっぱりという感じ」が74・0%を占めた。「志望する自治体でも同じようなことがあると思うか」には、「贈収賄はなくても口利きはあるだろう」が50・3%で、「志望する自治体も同じだと思う」は31・9%だった。
事件で教員を志す気持ちに変化があったかは、47・9%が「全くない」と答えたが、▽少しやる気がなくなった20・5%▽考え直してみたい2・4%▽受けないことに決めた0・4%−−と影響を受けた人もいる。
新藤代表は「『口利きに頼るかもしれない』という人が4割もいたのは驚き。一度根付いた意識や不信感を払拭(ふっしょく)するのは簡単ではない」と話している。
愛知の中学で教師刺傷 18歳容疑者「うらみあった」
29日午後1時半ごろ、愛知県知立(ちりゅう)市広見2丁目の市立知立中学校で、吹奏楽部の練習を監督していた神谷佳久教諭(34)が校内に侵入してきた男に刺され、重傷を負った。約50人の吹奏楽部員にけがはなかった。駆けつけた安城署員が校内にいた同市のフリーターの少年(18)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。少年は同中学の卒業生で、動機について「かつての担任で、うらみがあった」と供述しているという。
安城署によると、少年の逮捕容疑は、午後1時半ごろ、同校2階の被服室に押し入り、神谷さんの胸や背中、左腕などを刃渡り約13センチのペティナイフで刺した疑い。
神谷さんは胸を2カ所、背中を1カ所刺されていたほか、左腕や左手の指を切られる重傷を負った。
少年は05年3月に同校を卒業しており、神谷さんは少年が2年生のときの担任だった。少年は調べに対し、「厳しく指導されて対人恐怖症になった。高校中退後、勤めた会社でうまくいかなかったのはそのせいだ。復讐(ふくしゅう)するつもりでやった」と話しているという。
少年は被服室に侵入すると、入り口に背を向けて座っていた神谷さんの背中を無言で刺したという。しばらくもみ合ったあと、神谷さんは別棟の職員室に逃げ込んだ。少年は1階に下りたところで別の教諭と出くわし、ナイフを捨てて逃走。校舎から中庭の渡り廊下に出たところで教諭らに取り囲まれ、その場に座り込んだという。直後に安城署員が駆けつけて現行犯逮捕した。少年は西側の門から校内に侵入したとみられる。
居合わせた女子吹奏楽部員(14)は「刺した男は笑って手を振った」と証言した。被服室の外で、神谷さんを追いかける少年を目撃した別の女子ソフトボール部員(13)は、「ナイフのようなものを持ち、無言で少し笑ったような感じでゆっくり歩いていた」と話した。
当時校内には、部活動の生徒約180人がいたという。
政府は29日午前、福田首相が提唱した「留学生30万人計画」の骨子を発表した。海外から日本に来る留学生を現在の約12万人から2020年をメドに30万人に増やすため、在外公館や大学の海外事務所など関係機関が協力して、日本への留学希望者のために一元的な相談窓口を海外に設置することなどを盛り込んだ。
骨子を基に関係省庁が09年度の関連予算の概算要求を行い、計画の詳細について検討を進める。
「留学生30万人計画」の策定は、福田首相が1月の施政方針演説で表明して以来、文部科学省を中心に、外務省や法務省など6省で検討を重ねてきた。政府が留学生の受け入れ計画を策定するのは、中曽根内閣(当時)が「留学生受け入れ10万人計画」を掲げた1983年以来、25年ぶりになる。
骨子は、「日本留学への誘い」から、「卒業後の社会の受け入れ推進」までの5項目で構成。日本留学の魅力はどこにあるのかという日本の「ナショナル・ブランド」を確立することが重要と指摘。日本への留学希望者の一元的な相談窓口の設置は、英国が世界各国に「ブリティッシュ・カウンシル」を設け、英国留学セミナーなどを開催していることを参考にした。さらに、留学生活を円滑に進めるため、在留期間の更新申請など審査の簡素化や審査期間の短縮を掲げた。
受け入れる大学側の態勢整備として、拠点になる国内の30大学を選定して支援するとともに、それらの大学では、英語のみのコースを大幅に増加して、日本語が出来なくても英語だけで学位の取得を可能にする。
卒業後の日本での就職を支援するため、就職活動の期間中は在留期間の延長を検討する。
同計画の策定は、海外の優秀な人材を獲得して日本の国際競争力を高めていくことを狙ったものだが、日本への留学生の総数は、ピークに達した05年の12万1812人から頭打ちの状態が続いている。背景には卒業後に日本の研究機関や企業へ就職できる環境が整っていないことが指摘されており、計画の実現のためには、企業の協力がカギを握ることになりそうだ。
新学習指導要領解説書への竹島(韓国名・独島)明記問題に絡み、長野県で計画されていた駐日韓国大使の講演会や、日韓相互ホームステイが中止になっていたことが29日までに、分かった。
在日本大韓民国民団(民団)によると、8月9日に権哲賢駐日大使が長野県松本市のホテルで講演する予定だった。権大使が竹島問題で一時帰国し、再来日の見通しが立たないため、主催する民団支部が中止を決めたという。
知事や県議など約200人に招待状を出していたが、22日付で中止のはがきを送った。
またホームステイは国際交流団体が毎年行っており、今年は長野県東御市の中学生5人が7月末から韓国を訪問する予定だった。
教育再生懇:国・理・英「ページ数を倍に」 自習向けの教科書求め−−改革案
政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)は28日の会合で、小中高校の教科書の質・量の充実に関する改革案をまとめた。(1)自習に適した丁寧な記述(2)「発展学習」「補充学習」の充実(3)子供たちをひきつける工夫−−などを実現するため、特に国語、理科、英語でページ数を倍増するよう提案した。福田康夫首相に今秋提出する第2次報告に盛り込む。
会合では中学2年の数学教科書を計8カ国で比較した資料が示された。それによると、日本は211ページで第7位。米国は651ページ、フランスは256ページ、イギリスは248ページだった。これを踏まえ、日本の教科書を教室の授業で使うものから、自学自習に適したものに転換するよう提起。児童・生徒が1人で読んでも理解できる丁寧な記述を求めたほか、算数・数学の練習問題や古文、文学作品、英文などを増やすことを打ち出した。
また、学習指導要領の範囲を超えた発展学習や補充学習の充実策として、小・中で1割、高校で2割となっている記述量の上限撤廃を提案。理科の学習内容と最先端科学との関連を分かりやすく紹介するなどの工夫を求めた。
この日は、携帯電話の有害サイトから子供を守る具体策についても議論し、「PTAなどが通話機能に限定した特定機種の使用を推奨すべきだ」などの意見が出た。
教育再生懇は、安倍晋三前首相が設置した教育再生会議の報告内容をフォローアップするための組織。
福岡市早良(さわら)区の市立百道(ももち)小学校の児童と保護者が27日、「124人125脚」で50メートルを歩くギネス世界記録に挑戦し、成功した。
従来の記録は、東京都新宿区立牛込仲之小の児童らが3月に達成した「117人118脚」。オリンピックの年に世界一を目指そうと、1カ月半前から練習してきた。
足首を赤と白の端ぎれで交互に結ぶと、長さは約100メートルにも。太鼓と「赤」「白」のかけ声に合わせて完歩した。5年生の木村傑君(11)は「みんなと一つにつながっているなと感じた」。
慶応大(東京都)は8月2日、高校生らを対象にした関西初のオープンキャンパス(大学説明会)を大阪市内で開く。昨夏、同市内で初めて説明会を開いた早稲田大(同)も、同月2、3日に開催。首都圏の「私学の雄」が関西の学生獲得に向け、そろって受験生にアピールする。
慶大の説明会は、創設者・福沢諭吉の生誕地、同市福島区に今年5月に開設した「慶応大阪リバーサイドキャンパス」で。経済、薬学部の模擬講義、慶大生らが留学や奨学金などについて答える個別相談会がある。東京の三田キャンパスでの説明会もライブ中継する。
早大は2日に同市北区の梅田センタービルで、3日は協力協定を結んでいる関西大の千里山キャンパス(大阪府吹田市)で開く。看板の政治経済学部などの模擬授業があるほか、早大生が受講している英語の少人数レッスンの体験コーナーも設ける。
慶応義塾広報室は「東京まで来られなくても、伝統の力と熱気を感じてほしい」、早大広報室は「早大の持つエネルギーと多様な教育プログラムをPRしたい」と話している。
大阪府の橋下徹知事が、進学塾と提携した有料特別授業「夜スペシャル(夜スペ)」を発案した東京都杉並区立和田中学校の藤原和博前校長(52)に対し、府の特別顧問などへの就任を視野に教育改革施策への協力を打診していることが28日、分かった。夜スペを参考に9月からスタートさせる放課後無料授業の“指南役”を期待しており、橋下知事は「藤原先生に大阪で暴れてほしい」と話している。
大阪府の放課後授業は「おおさか・まなび舎」という名称で、橋下知事が大阪維新プログラム案に盛り込んだ施策。元教員や大学生、塾教師らが、公立小中学校で1日2時間、週2回の補習授業を行い、学習習慣の定着を目指す。府側は、藤原氏におおさか・まなび舎の実施方法などについて助言を求めており、橋下知事は今春以降、2回程度面会しているという。今月10日には、この事業での外部人材の生かし方の参考にするため、府の勧めを受け池田市教委幹部らが授業方法などについて話を聞いた。
今後、藤原氏に対し正式な役職への就任を持ちかけるとみられ、特別顧問、教育アドバイザーなどのポストが検討されているという。藤原氏は28日、産経新聞の取材に応じ「役職名や就任時期については聞いていない。当面は助言などが主体になると思う」と説明。さらに、「和田中モデルは地域社会が残っている大阪でこそ有効。和田中を超える成功例も出てくるかもしれない」と期待を示した。
大分教員採用汚職:1科目「0点」でも合格 矢野被告長女
大分県の小学校教員採用汚職事件で、体育実技を受けずに07年度の試験に合格した受験者がいたことが分かった。本来なら30点満点で0点だが、二十数点にかさ上げされたという。総合得点もさらに水増しされ、合格圏内に入ったとみられる。県警は点数改ざんの中でも特に悪質な事例とみて、元県教委参事の江藤勝由被告(52)=収賄罪で起訴、懲戒免職=を追及し、点数改ざんの全容解明を進めている。
関係者によると、この受験者は贈賄罪で起訴された元県教委参事、矢野哲郎被告(52)夫婦の長女=23日に辞職=で、診断書を提出して受けなかったという。
調べでは、江藤被告は07年度の試験時、義務教育課人事班主幹として採点データの集計などを担当した。当時、教育審議監だった二宮政人被告(61)と富松哲博・教育審議監(60)から、口利きを受けた計40人を合格させるよう指示され、合格者41人のうち23、24人を不正合格させていたという。
矢野被告夫婦は二宮被告に対し、2次試験後の06年9月と合格発表後の同年10月の2回に分け、それぞれ50万円分の金券を贈り、採用を依頼したとされる。これとは別に、江藤被告に対しても長女の採用を頼み、合格発表後の06年10月、別府市内の江藤被告宅で100万円分の金券を贈ったとされる。4被告とも、それぞれの起訴事実を認めている。
07年度の小学校教員採用試験は06年7〜9月にあり、一般教養などの1次試験は受験者489人中119人が合格した。2次試験では実技や面接などがあり、長女を含む41人が採用された。最終倍率は11・9倍だった。
県教委によると、長女は佐伯市内の小学校に勤務していたが、辞職にあたり「自分がまったく(不正について)知らなかったとはいえ、責任の一端を感じる」などと話していたという。関係者によると、長女は体育実技も含め、点数の改ざんは知らなかったという。
政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)は28日、大分県の教員採用をめぐる汚職事件を受け、教員採用の透明化などを求める緊急アピールを出すことを決めた。委員からは「分権に伴って都道府県教育委員会が持つ人事権を中核市などに委譲することは、情実人事などにつながる懸念がある」「地域によって採用試験の競争倍率に差があることが原因の一つではないか」などの意見が出された。
懇談会では、「ゆとり教育」の転換を目指し、国語、理科、英語の教科書のページを倍増させる方針を決めたほか、子どもに携帯電話を持たせないキャンペーンを展開することも決めた。
文化庁が、国語の現状を調査して今後の国語施策を進める上での参考とする「国語に関する世論調査」の平成19年度の結果が公表された。
それによると、「国語は乱れていると思うか」との問いに、前回とあまり変わらない8割近くが「そう思う」と回答した。
調査結果を基にした国語施策が必ずしも功を奏していないことがうかがえる。
国語は乱れているとの意識には、若者言葉などの言葉遣いも含め、敬語など国語力全体が低下していると感じている国民の思いが大きく投影している。
国語の習得は学ぶこと(まねをする)と習う(それになれる)ことが基本だが、今やそのモデルが必ずしもよき模範となっていないことは、子供の言葉遣いに影響を与えるものとして86%近い人がテレビを挙げていることからも見て取れる。
外来語の増加も国語を曖昧(あいまい)にしている。幕末から明治にかけて、西欧の文物を取り入れる際に、当時の知識人は新しい概念を新しい和製漢語や古い仏教語などに注入するなどして翻訳に工夫をした。それだけの漢字活用力があったからである。
今は戦後の漢字制限政策の影響で、西欧語を耳に聞いた大体を仮名で写すだけで意味を表す漢字に翻訳する能力を失ってしまった。カタカナ語は聞いても読んでも、元の語を知らなければ意味が正確に伝達できないから、増えれば増えるほど国語を曖昧にする。
「檄(げき)を飛ばす」は本来「自分の考えや主張を広く人々に知らせ、同意を求める」意だが、7割強の人が「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」と取り違えていた。がっかりしてぼんやりしている様をいう「憮然(ぶぜん)」を、腹を立てている様子と取り違えている人も同じくらいだ。「檄」が表外字なので義務教育期間中にこのような言葉の学習機会がなく、語感で覚えてしまうことによろう。
国語力強化には、幼少時から言葉を学び、習う機会をシャワーのように浴びせてやることが重要である。慣用句やことわざ、古典の名文などは早くから暗誦(あんしょう)させるのがよい。国語力衰微の根本原因は戦後国語政策にあるといっても過言ではない。調査結果がそれを端的に物語っている。
漢字教育の強化や暗誦教育の再評価を強く当局に望みたい。
大阪府池田市教委は、東京都杉並区立和田中が実施中の有料夜間授業「夜スペシャル(夜スペ)」と同様の課外授業を、市内の中学校で実施する方針を固めた。塾講師や教員OBらによるボランティアが講師となり、授業料は無料とする予定。早ければ2学期中にモデル校で先行実施する。
「教育日本一」を掲げる橋下徹知事が、倉田薫・池田市長に実施を打診していた。市教委などによると、課外授業は、保護者らでつくる学校支援組織が主体となり、放課後や土曜日に実施する。講師への報酬は市教委が負担する方向で検討している。先行実施校は、市立全5校のうち、地域ボランティア団体のメンバーに塾講師らがいる池田中が有力で、順次拡大する予定。
新学部は重役通学?新聞・朝食ごゆっくり 千葉商科大
千葉商科大(千葉県市川市)が来年4月に開設予定のサービス創造学部で、1限の講義の開始時間を午前10時40分にする。文部科学省によると、大学の1限の開始時間に定めはないが、実際には8時、9時台がほとんど。新聞を読み、メールをチェックし、朝食もとって、余裕をもって講義に出てもらいたいという。
同大によると、既設学部の講義は9時開始だが、学生が前日のアルバイト疲れで寝てしまったり、出席するために朝食を抜いたりする問題があった。そのうえ、幅広いサービス分野を担う人材を育成する新学部には、「現代社会入門(ニュース解説)」など新聞を読んで意見を述べるような講義もあって、朝、新聞をじっくり読んでもらう必要があるため、1限の開始時間を既設学部の2限開始時間まで100分間繰り下げることにした。さらに、通学可能エリアが拡大することで、優秀な学生を獲得する狙いもある。
一方で、1限開始前の8時半から10時半までは希望者を対象に「モーニングクラス」を開講。語学、情報、簿記会計などの資格取得を目指す学生のための講座を割安で開く。
学部長に就任予定の吉田優治教授は「社会に出れば午前9時始業が普通なのに甘やかすな、という声もあったが、学生が4年間しっかり勉強できる環境を優先した」と話している。
政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)が、小中高校の教科書の質と量の充実を図るためにまとめた教科書改革の素案の全容が26日、明らかになった。
教室での使用を主目的とした分量の薄い現行の教科書から、「自学自習にも適した教科書」に性格を変えようとするのが特徴だ。特に、国語、理科、英語では、名文の引用や練習問題を豊富にし、総ページ数を2倍に増やす必要がある、としている。懇談会は、学力低下を招いたと批判される「ゆとり教育」から転換を図る取り組みとして、28日から素案をもとに具体的な検討に入る。
日本の教科書の分量は元来、「欧米諸国に比べて格段に少ない」(文部科学省幹部)とされる。約10年前から始まったゆとり教育はこれに拍車をかけ、2002年使用開始分を最低に、小中学校の多くの科目で総ページ数がかなり減った。関係者によると、福田首相も最近、近年の教科書の薄さに懸念を示したという。
素案は、この点について「教科書が、教室で授業を受けながら使うことを前提に作られている」と指摘し、授業だけでなく、児童・生徒が自習する際にも一人で理解できるよう、丁寧に記述するよう求めた。
特に、国語や英語では、文豪や哲学者の名文や演説などを豊富に盛り込むよう提案。併せて、理数系の学力低下が著しいため、算数・数学の練習問題を多くするほか、理科のテコ入れの必要性も指摘した。
また、学習指導要領の範囲を超え、上の学年で学ぶ内容を先取りする「発展的記述」について、小中学校での上限を「全体の1割」、高校では「2割」としている文部科学省の指針部分を撤廃するよう求めた。出版社が柔軟に編集できるようにするためだ。
素案は、こうした改革を実現するため、国語、英語、理科の3教科について、「2倍のページ数が必要」と具体的目標を掲げた。
新学習指導要領が2011年度から小学校で全面実施され、新しい教科書の準備が間もなく始まることから、懇談会は、今秋にも予定される第2次報告にこの改革を盛り込む方針だ。
偏差値 : 71
灘中学校
偏差値 : 65
東大寺学園中学校
甲陽学院中学校
偏差値 : 63
洛南高等学校附属中学校
偏差値 : 62
大阪星光学院中学校
偏差値 : 61
西大和学園中学校
神戸女学院中学部
偏差値 : 60
洛星中学校
学校に来ても教室に行かずに保健室で過ごす「保健室登校」を続ける公立高校の生徒の割合は、平成18年度で1000人当たり2・8人となり、5年間で2倍に増えたことが、日本学校保健会による保健室の利用実態調査で明らかになった。公立小中学校でも保健室登校の割合が増加。友人関係の悩みなどを抱えているケースが多いという。
調査は文科省の委託で、今回は18年10月、公立の小中高校計約1100校を対象に利用実態を調べた。
調査結果によると、13年度に高校で保健室登校していた生徒は1000人当たり1・4人だったが、18年度は2・8人。中学校も5・6人から6・6人、小学校も1・2人から2・0人へとそれぞれ増加した。
性別で比較すると、小1で男子が女子を上回った以外は、小2から高3までいずれの学年も女子の方が男子の2〜3倍だった。
E−くらし:夏休み 親子で企業イベントに! ビール工場見学、料理コンテスト
◇思い出作りも宿題対策も…
子どもたちは、長い夏休みの真っ最中。さまざまな企業が、親子で参加できるイベントを企画している。楽しみながら学べて思い出作りになるうえ、悩みの種の宿題「自由研究」のヒントにもなりそうだ。
アサヒビールは、全国9工場で親子見学ツアーを開催。仕込みや発酵・熟成、びん・缶への充てんなど、ビールができるまでを見学できる。びんや缶、工場廃棄物のリサイクルについても、クイズを交えて解説する。
見学後、社有林の間伐材を使ったペン立て作りに取り組む。保護者はビール(1人3杯まで)、子どもはソフトドリンクの試飲あり。所要約100分。
同社は「タンクの巨大さや充てんのスピードは見どころ。さらに、環境対策も楽しみながら知っていただけます」と話している。
無料、要予約。日時の問い合わせ、予約は電話で、吹田工場(06・6388・1943、大阪府吹田市西の庄町)▽西宮工場(0798・36・9595、兵庫県西宮市津門大塚町)へ。いずれも8月末日まで。
◇ ◇
大阪ガスなどでつくる「ウィズガスCLUB」は、第2回「全国親子クッキングコンテスト近畿地区大会〜炎の調理で五感を研ぎ澄ます」の参加親子を募集している。全国統一テーマ「我が家のばんごはん」オリジナルレシピを考案してもらい、書類審査を通過すると実技予選へ。最優秀1組は、来年2月の全国大会に臨む。応募締め切りは9月16日(大阪会場)のため、夏休み中に親子のチームワークをどれだけ高められるかが勝負になりそう。
おいしさだけでなく、独自性や栄養バランス、ガスならではの調理方法も審査のポイント。保護者と子ども(小学1〜6年)2人1組で参加、食材費は4人分2000円程度。調理時間は60分(盛り付け含む)。品数の制限はないが、自宅での下準備はできない。問い合わせは事務局(06・6955・6119、平日のみ)。
がんで余命数カ月と告知されながらも、講義で自分の夢を語った米国の大学教授が25日、息を引き取った。講義は「最後の授業」の題名でインターネットに流れ、世界の600万人以上が受講したといわれ、その本が国際的なベストセラーになっていた。
米北部ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学のランディ・パウシュ教授。専門はコンピューターサイエンス。47歳だった。
教授は06年秋、膵臓(すいぞう)がんを宣告され、07年8月には余命3〜6カ月と告知された。しかし、その数週間後に「子どもの頃の夢を実現すること」と題して特別講義。壇上で腕立て伏せもする快活さを見せながら人生の意味を語った。
無重力を体験したい、ディズニーの技術者になりたい――などの夢を振り返り、「かなえられなかった夢から、より多くを学んだ」と回顧。「(夢を阻む)れんがの壁がそこにあるのは、自分がどれほどそれを望んでいるかを試すチャンスを与えてくれるためだ」「私は物事を楽しまない道を知らない。やがて死ぬけれども、残る日々も楽しむつもりだ」と語りかけた。
この講義は動画投稿サイト「ユーチューブ」で話題を呼び、教授の言葉をつづった本は30カ国語(日本ではランダムハウス講談社から出版)に訳された。教授は、授業は自分の3人の子どもへの遺訓だったとしつつ、「多くの人が価値を見いだしてくれたなら素晴らしい」と自身のウェブサイトに記していた。
鳥取県倉吉市の県立倉吉東高校(名越和範校長)が、現代の問題について解決策を研究し、プレゼンテーションする能力養成に取り組んでいる。毎年、6チームを組織して校内コンクールを行ったあと、夏休みに同市内で「国際高校生フォーラムin倉吉」を開き、招待した国内外の高校生チームと同校代表とが競う方式。今年は8月10〜12日の開催予定で、代表の生徒らが準備に励んでいる。
同校は、広い視野で主体的に考えることができる人材を育てようと、プレゼンを柱としたフォーラムを企画し、平成14年から毎年開催。準備から当日の進行までを生徒らが企画、運営している。校内チームは毎年4月に1〜3年混成で組織され、それぞれ年ごとのテーマに沿って研究成果をまとめ、プレゼンの練習を重ねている。
今年のテーマは「高校生、未来への希望を語る」。今月上旬の校内コンテストで優勝したチームは、西欧のルネサンス期に活発だったとされる人間本来の力「人間力」を取り上げ、「人間力の再生により、未来が大きく変わる」などとその重要性を主張した。
今回のフォーラムは、英国と韓国の高校を含む9校のチームで競う。倉吉東高代表チームのリーダー、浅井祥子さん(18)=3年=は「意見をぶつかり合わせることで、自分を表現する力がついたと思う。フォーラムでは、自分たちの伝えたいことが100%伝わるよう、プレゼン内容を磨いていきたい」と話している。
教員採用合否:都教委も事前通知 都議や国会議員が依頼
東京都教育委員会は24日、06〜08年(試験実施年)の教員採用試験で都教委の部課長級職員6人が受験者55人ほどの合否結果を発表前に通知するよう都議や国会議員から依頼を受けていたことを明らかにした。結果の出ていない08年を除く06、07年では、実際に発表1時間前に通知していた。また、昇任選考でも部課長級職員2人が受験者8人程度の合否結果を発表前に通知するよう依頼を受けていたとした。
都教委は22日現在で全管理職や人事部の担当職員計130人を対象に、外部からの不正や事前通知の働きかけの有無を調査。不正な働きかけはなかったが、発表前に合否結果を伝えていたことが分かった。依頼を受け通知した職員は「許容範囲だと思っていた」などと釈明しているという。
都教委は「信頼性確保の観点から適切ではない」とし、今後は事前通知しない方針だ。
岩手県中部地震で校舎の窓ガラスが割れるなどの被害があった同県洋野(ひろの)町立大野小(菊池誠校長)で25日、終業式があった。
地震当日はショックで親から離れられず、欠席した児童もいたが、この日は全児童184人が登校した。1年担任の横田淳教諭は1時間目の教室で「みんなの『元気です』っていう声が聞けて、とてもうれしかったです」。
校内は、蛍光灯が落ちた多目的室や天井にひびが入った食堂は、今も立ち入り禁止のまま。まだ家が片づかない児童も少なくない。
横田教諭が「夏休みにはみんなも、地震でちらかったおうちの片づけをどんどん手伝って下さい。どんな小さなことでもいいんだよ」と話しかけると、子どもたちは一斉に、「はい!」と元気な返事を響かせた。