1月2、3日の第84回東京箱根間往復大学駅伝の区間エントリーが29日にあり、各大学の布陣が明らかになった。駒大の層の厚さは随一で、3年ぶり6度目の栄冠に向けて死角はない。
駒大は「エース不在」とも言われるが宇賀地、高林、深津の2年生トリオが着実に成長している。2区を走る宇賀地は、11月の全日本大学駅伝で早大の竹沢、順大の松岡に食らいつく好走をみせた。1万メートルの平均タイムは最速の29分00秒。ライバル校の指導者全員が駒大優勝を予想している。
初優勝を狙う東海大は前回、伊達、佐藤の二枚看板を1、2区に固めて逃げ切りを図ったが、3位に終わった。今回は伊達を2区に据えたものの、佐藤については補欠に置き、どの区間を走らせるか留保した。
両校の区間エントリーの特徴は、有力選手の多くを補欠に置いたこと。最大4人までの補欠は、レース1時間前にどの区間を走るかを決めればよい。駒大はチーム1万メートル最速の豊後ら4人を補欠にし、手の内を明かさない作戦に出た。東海大も佐藤を含む主力4人が補欠。佐藤を往路で使い勝負に出るか、復路に温存できるか。他選手の仕上がり具合を見ながら、難しい判断になる。
「2強」に迫るのは日体大か。出雲3位、全日本2位と安定している。エース北村を2区に、森を3区に置き、2区で山梨学院大モグス、日大ダニエルが巻き起こす高速レースの流れに乗っていくのが狙い。
前回優勝の順大はメンバー7人が抜け、仲村監督は「目標は6位」と控えめだ。エース松岡が万全でなく、つなぎの7区に回った。山登り5区で小野が奮起できるか。
「往路優勝」を掲げる早大も、座骨神経痛の影響が残る竹沢をエース区間の2区に置けず、3区で起用。どれだけ走れるかに浮沈がかかる。
このほか、日大、東洋大、中大、亜大、城西大も上位を狙う。
高校卒業程度認定試験(旧大検)の合否判定が誤っていた問題で、文部科学省は29日、今年度の第1回(8月実施)で23人を誤って不合格にしていたことが分かったと発表した。うち15人は第2回(11月実施)で合格していたが、同省は改めて全員に第1回での合格証書を送る。
誤って不合格となった受験者の実数はこれで計35人となった。
公立教員、心の病10年で3倍 200人に1人、4675人が休職
うつ病などの精神性疾患で昨年度中に休職した全国の公立小中高校などの教員は、前年度比497人増の4675人に上り、過去最悪を記録したことが、文部科学省のまとめでわかった。
10年前の1996年度(1385人)に比べると3・3倍という急増ぶりで、今回初めて、病気休職者全体の6割を超えた。
文科省は原因として、教師が多忙になっていることに加え、保護者の理不尽な要求で、ストレスを抱える教員が多いことなどを挙げている。
昨年度1年間に病気で休職したのは、全教員の0・83%にあたる7655人。精神性疾患による休職者も全教員の0・51%で、200人に1人以上が心の病で学校を離れた計算になる。
心の病で休職する教師は92年度の1111人から14年連続で増加しており、特に2003年度からは毎年400〜600人ペースで増え続けている。文科省は「年齢別の統計はない」としながらも、〈1〉職場の人間関係などになじめない新人教員〈2〉私生活や自分の健康に問題が出る40〜50歳代――などが悩みを抱えやすいと分析している。
一方、昨年度にわいせつ行為やセクハラで懲戒処分を受けた教員は、前年度比46人増の170人だった。
加速する大学連携 出身大・大学院より「学習歴」一層重要に
東京大学、京都大学、早稲田大学、慶応義塾大学の4大学が、大学院教育での学生交流に関する協定を結んだというニュースを、東京からも関西からも遠く離れた地方都市で聞いた。ある小さな私立大学の新年度からの広報戦略にかかわる取材で訪ねていた。
改めて、大学は連携の時代に入ったのだなと思う。どんな大学も、孤高を保っているわけにはいかないということだ。
有力4大学の連携の背景には大学間の国際競争の激しさがある。人材育成の面で、国際競争力を強化しないと、他国に太刀打ちできないと見るからだろう。
一方、地方都市の大学にとっては、志願者を集めること自体が難しくなっている。取材で訪ねた私大では、生き残りをかけた戦略の一つとして、アジアの複数の大学を留学先とする提携を進めている。
全国各地の国公私立大学が連携し、産学連携の大学院を東京に作る構想が動き出した。英語教育のノウハウを持つ首都圏の私大が、遠く離れた地方の女子大に学習システムを提供する。北海道と首都圏の工科大学同士が、国立と私立の枠を超えて包括協定を結んだ。研究、教育から就職支援まで協力する。
いずれもこの一か月ほどの動きだ。これからの大学問題を語るうえで、連携という言葉はキーワードになるだろう。
大学が様々な形でつながり、足りない部分を補い合おうという発想だ。文科省も、こうした戦略的な連携を進める補助制度を作ろうとしている。
連携の先にあるのは、場合によって、合併や統廃合であるかもしれない。東大と京大が合体することはあり得ないが、国立大学を取り巻く環境が様替わりしつつあることも確かだ。
では、大学を選ぶ側はどうすればいいのか。
どこで学んだかという大学歴より、何を学んだかという学習歴と、その結果、どんな成果が出たかが問われる。その傾向がより強まることは間違いない。大学全入時代は、出身大学や大学院を問う学歴社会ではなく、学習歴社会になっていくと見る。
訪れていた地方都市の小さな私大では、卒業試験を厳格に行う計画も進めている。文科省の中央教育審議会も、大学の学部卒業生の「学士力」を問う必要性を指摘しており、出口管理を強める動きも、これから広がるのではないか。
だとすると、大学を選ぶ側も、心してかからなければいけない。

心を病む教員が、なぜ急増しているのか。昨年度1年間で4675人もの公立校の教員が、休職する理由になった「精神性疾患」。背景を探ると、単なる「業務の多忙さ」では片づけられない事情も浮かぶ。
深夜になっても携帯電話を鳴らしてくる保護者、同僚に悩みの一つも打ち明けられない職場……。専門家は「先生たちを孤立させないことが大切」と指摘している。
支え合う職場作り必要
「自分が情けない。子供たちに迷惑をかけて申し訳ない」
兵庫県伊丹市の公立学校共済組合近畿中央病院。学校に復帰するため専門のトレーニングを受けている小学校の女性教諭(50歳代)は涙を流した。
6年生の担任と親の介護で疲れ切っていた今年春、別の小学校への転任が決まった。低学年を担任したかったが、経験を買われて6年生を任された。
多感な高学年のクラスはささいなことでよくケンカが起きる。
「うちの子が同級生にぶたれたと言っている。どうなってるんだ」。保護者から夜になって学校に入った苦情電話に「明日確認します」と答えると、「明日じゃダメだ」とどなられた。
転任からまだ2、3か月。酒を飲んで愚痴を言う同僚もいない。「自分はベテラン」とのプライドが邪魔して相談もできなかった。
そこに介護疲れが追い打ちをかけ、ある朝、体がだるくて動かなくなった。「学校に行かなくちゃ」という気持ちを体は拒絶し、休職するしかなかった。
「仕事の多さもあるが、職場で教師同士が支え合う関係がないと厳しい」。同病院の井上麻紀・主任心理療法士は解説する。
東京都西東京市の自宅アパートで自殺を図り、昨年12月に死亡した小学校の新任女性教諭(当時25歳)も多忙な中で孤立していた。
担任した2年生に万引きの疑いがかかり、深夜まで謝罪に歩き、「上履き隠し」が起きて保護者会で問題にされた。7月にうつ病を発症して休職。8月に復職したものの、学級内でいじめも起こり、保護者から毎日のように深夜に携帯電話を鳴らされる状態だった。
2004年まで中学校の校長を務めた井尾雅敏さん(63)(北海道余市町教委生涯学習推進アドバイザー)は、教員が分担して作る「学校経営計画書」を簡略化したり、職員会議の時間を短縮化したりした経験からこう指摘する。
「教師の仕事をスリム化して、子供を職員室全体で見る体制作りがカギ。教師が一人で問題を抱え込まないよう、校長や教頭も対応するべきだ」
沖縄戦の「集団自決」をめぐる教科書検定問題で、9月に検定意見の撤回を求める沖縄県民大会を開いた実行委員会のメンバーは28日、教科書に「日本軍による強制」との記述を入れるとともに検定意見を撤回するよう求める要請書を、首相と文部科学相に提出すると全会一致で決めた。
文科省が教科書会社からの訂正申請を承認した26日の会見で、実行委員長の仲里利信・県議会議長(自民)は「検定前の記述以上に踏み込んだ訂正で、検定意見は自動的に消滅したと理解している」と評価した。だが、県内の幅広い層で「日本軍による強制という記述は認められておらず、集団自決の実態とかけ離れている」「文科省は、県民大会が求めた検定意見の撤回に応じていない」といった反発が強く、軌道修正した。27日にも数百人規模の抗議集会が開かれていた。
仲里委員長は「実質的に検定意見は消滅したと思っているが、検定意見が撤回されることがベスト」と話した。
要請書は、訂正申請が承認される過程で「『強制』の記述がなくなるという重大な問題が生じている」と指摘している。
年明けに首相と文科相に提出するほか、出版社や執筆者にも送る。
精神性疾患:公立学校教員の休職、過去最高の4675人に
06年度にうつ病など精神性疾患による病気で休職した小中高校など公立学校の教員が過去最高の4675人に上ることが、文部科学省の調査で分かった。14年連続の増加で、10年前の97年度(1609人)より約3倍に増えた。文科省は「子どもや保護者、教員間の人間関係が複雑になっているほか仕事量が増えてストレスが高まっている」と分析する。
文科省によると、公立学校の教員約92万人のうち病気休職者は7655人。このうち、うつ病のほか適応障害、急性ストレス反応、統合失調症など精神性疾患を理由に休職した教員は前年度比497人増となり、病気休職者に占める割合も6割を超えた。また、過去4年間は前年度比1割以上の伸びを示した。
精神性疾患による休職者は40〜50代の教員の場合、家庭や健康の問題が影響するケースもあり、20代の若い教員は職場への不適応や実力不足で悩む例もみられるという。文科省は「毎年増えており、深刻に受け止めている」として、各教育委員会が実施しているメンタルヘルスの研修や復職のためのプログラム策定などを支援していく方針を示した。
また、調査では懲戒処分を受けた教員(監督責任を除く)が前年度比96人減の1159人となったことが明らかになった。免職者は懲戒187人、諭旨10人、分限16の計213人だった。懲戒処分や訓告などを受けた教員は前年度比445人増の4531人で、昨年の高校の未履修問題での処分が約1割増の要因になった。
未履修問題で、490人が懲戒や訓告などの処分を受けたほか、交通事故(2390人)が最も多く▽体罰(424人)▽わいせつ行為など(190人)が続いた。わいせつ行為は前年度より48人増加した。
▽尾木直樹・法政大教授(臨床教育学)の話 教員評価システムの普及で「生徒の悪口を言ったり相談したら評価が下がるのでは」と思い込み、教員が悩みを抱えてしまっている。評価システムは撤廃し、上司や同僚などに悩みを相談できる風通しのよい職場環境をつくることがまず必要だ。ネットゲームや携帯メールなどの「ネット文化」がまん延し、教師が生徒の心を理解できず、良好な関係を構築できずにストレスをためている要因も大きい。追い打ちをかけるように「モンスターペアレント」の急増でクレーム対応に深夜まで追われ、心身ともに疲れ果てている実情もある。

諸外国の教育制度を紹介した本への関心が高まっている。特に、人気があるのは、留学や海外での子育ての体験に基づいた著作。海外の優れた教育システムを参考にしたいと考える教師や、保護者たちの支持を集めているようだ。
立教大2年の実川真由さん(20)は高校時代の2004年8月から10か月間、フィンランドの首都ヘルシンキの高校に留学した。
ごく普通の公立校の2年生のクラスに入った時、まず印象に残ったのは、試験前になると、同級生たちが5センチほどもある分厚い本を持ち歩き、授業の合間や昼休みに、暇さえあれば読んでいる光景だった。
実川さんが授業中、日本のマンガをフィンランド語で紹介した時には、30人ほどのクラスメートが私語もせずに聞き入り、話が終わると、たじたじになるほど質問を浴びせてきた。
帰国後、フィンランドの教育事情を執筆するよう出版社から勧められ、母で翻訳家の元子さん(53)と一緒に今年9月、「受けてみたフィンランドの教育」(文藝春秋)を出版した。すでに8000部が売れ、今月初め、経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)の結果が公表されてからは、売れ行きが伸びているという。
「世界一と言われるフィンランド教育のありのままの姿を知りたいのだと思う」。実川さんはそう話す。
04年と06年に「オランダの教育」と「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」を平凡社から出版したリヒテルズ直子さん(52)は、1996年からオランダで暮らしており、2人の子供を小学校から大学まで通わせた経験を、著作に盛り込んだ。
教師が一方的に講義する日本の学校で育ったリヒテルズさんにとって、個別指導中心のオランダの教育システムは新鮮だった。
小学校の授業は、いつでも自由に見学できた。1学級は30人ほど。そこでは優秀な児童たちが自習用の教材を自分で読み進め、教師は、理解の遅い子供一人ひとりに向かって、じっくり教えていた。教師は優秀な児童の質問にも応じ、私語をする子供が一人もいないことも驚きだった。
リヒテルズさんは「きめ細かな個別教育は、工夫次第で日本でもできるのではないか」と提案する。
丸善・丸の内本店(東京都千代田区)の教育書コーナーには、イギリス、アメリカの教育を紹介する本も並ぶ。担当の工藤吉隆さん(48)は「学力低下が懸念される中、他国の成功事例を参考にしたいという思いがあるのでは」と話している。

情報科教育学会:高校の必修科目「情報」を考える 研究者と現場一体で設立
高校の必修教科「情報」の教育研究を継続的に進めようと、研究者や高校の教員らが集まって「日本情報科教育学会」を設立した。設立総会は23日開かれ、岡本敏雄・電気通信大大学院教授が会長に選ばれた。
教科「情報」は現行の学習指導要領で導入され、03〜05年度、各校で授業が始まった。教科教育の学会には、数学教育学会、日本物理教育学会などがあるが、情報科の教育を研究する学会はこれまでなかった。このため、岡本教授ら4人が設立準備会世話人となり、学会設立の準備を進めてきた。
06年秋には、高校卒業に必要な必修科目の未履修や単位不足が相次いで発覚。教育課程の改訂に当たり、全国高等学校校長協会が必修教科について学校裁量の拡大を求めるなど、「情報」教科への風当たりが強くなった。世話人の1人、西野和典・九州工業大准教授は「情報科への『逆風』にいたたまれず、推進母体として学会を設立する覚悟を決めた」という。
呼びかけ人には安西祐一郎・慶応義塾大学長、白井克彦・早稲田大学長、雨宮真人・九州大名誉教授ら27人、発起人には情報教育にかかわる大学、高校教員ら145人が名を連ねた。情報科教育学会では、教科教育、社会・情報、情報・科学、比較教育など6つの研究部会を設ける。問い合わせは学会事務局(電話03・5155・7576)。
子ども手当法案:民主、参院に提出 成立見通し立たず
民主党は26日、中学校卒業まで子供1人に月額2万6000円を支給する「子ども手当法案」を参院に提出した。今国会で成立する見通しは立っていない。
現行の児童手当は、3歳未満は一律月1万円で、小学校卒業までについては第2子までが1人5000円、第3子以降1万円。子ども手当が実現すれば、約5兆6000億円が必要となる。民主党は児童手当廃止で1兆円、配偶者控除・扶養控除の廃止で1兆8000億円、税金の無駄遣いの整理で2兆8000億円を捻出(ねんしゅつ)するとしている。
来春から使われる高校日本史の教科書検定で、沖縄戦の集団自決に「日本軍の強制があった」とする記述が削除された問題で、文部科学相の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」は26日、訂正申請をした教科書会社に対し、「軍の関与」などの表現で、日本軍が住民の集団自決にかかわっていたとする記述の復活を認めた。
文科省承認 教科書を再修正
検定で一度修正された記述が再修正されるのは極めて異例。同審議会は同時に、「集団自決に軍の直接的な命令はなかった」との見解も初めて示し、「軍の強制」の記述復活は認めなかった。
「強制」は認めず
対象になったのは、「軍の強制」などの記述を削除していた5社を含む6社8点の教科書。これを受け文科省は同日、すべての訂正申請を承認した。
この6社は今年11月、削除した部分に、改めて「軍の強制」や「強要」などの表現を盛り込んだ訂正申請を出した。このため同審議会では、沖縄戦や軍事史の専門家9人から意見を聞き、集団自決の「基本的なとらえ方」という見解を初めてまとめた。
その中で、「住民側から見れば、様々な背景・要因によって自決せざるを得ないような状況に追い込まれた」と分析し、集団自決の要因について「手榴(しゅりゅう)弾の配布など軍の関与はその主要なもの」と明記。一方、直接的な軍の命令で集団自決が起きたかどうかは「現時点で確認出来ない」と結論付けたうえで、これを教科書会社6社に伝えた。
このため、教科書会社は「集団自決に追い込まれた人々もいた」という記述に「日本軍の関与のもと」との表現を加えるなどの再修正をしたが、「軍の強制」や「強要」の表記は盛り込むことを断念した。
今回の教科書検定を巡っては、9月29日に沖縄県で抗議の県民大会が開催されるなどの反発が広がったため、渡海文科相が10月、教科書会社からの訂正申請を受け付けることを表明していた。

緊張をほぐすための深呼吸は逆効果、試験の1週間前はぐっすり眠る――。
1週間前は睡眠大切 深呼吸は逆効果
「受験直前に、お母さんにやってもらいたいこと」と題する講演会が19日、さいたま市で開かれた。中学3年の母親を中心に約60人の保護者が、医師で元NHKアナウンサーの吉田たかよしさん(43)の言葉を聞き漏らすまいと、鉛筆を握りしめた。
吉田さんは自身の診療所で、「試験当日に頭が真っ白になった」など、努力しても本番で力を出せない受験生たちを診療してきた。
そうした子供の多くが、医学的、脳科学的に不適切な学習法をしていると気付き、「正しい」方法を広めようと今年、NPO法人「学習カウンセリング協会」(東京)を創設。受験生の保護者に学習法を広める活動を始めた。
講演会で吉田さんは、本番で力を発揮するために、家族と本人ができる三つの方法を示した。
〈1〉ストレス耐性を強めるために、1週間前は「寝ることが勉強」と言い聞かせる〈2〉愚痴や弱音を聞いてあげる〈3〉緊張時の深呼吸は、もっと緊張するだけでなく過呼吸になる恐れがあるので厳禁。10秒かけてゆっくり吐いてから、5秒で自然に吸う呼吸法を覚える。
「昔からの勉強法には理にかなうものもあるが、迷信も多い。例えば、直前まで眠る時間を削って暗記しようとするのは脳科学的に逆効果」と吉田さん。
講演に参加した埼玉県戸田市の細井雅子さんは「受験が迫ってきたので、睡眠を減らして勉強しなさい、と言いがちだったが、眠ることの重要性が分かった。さっそく今日から教えてあげたい」と話した。
NPOの認可を今月得た協会では、年明けからこうした保護者向けの無料講演会や、医学的な裏付けのある学習法を取得したカウンセラー養成を、本格化させることにしている。
「受験には悪いイメージが持たれているが、目標と計画を立て、それに向かって努力して目標を達成するのは、社会で仕事をするようになれば必須の能力でもある」と吉田さん。「勉強や努力の価値を知ってもらうことで、日本社会を元気にする人材育成に結びつけたい」と話している。
受験直前、吉田さんお薦めの風邪予防法
〈1〉うがいは予防の基本。普段のうがいは水道水、のどがイガイガするときにはうがい薬と使い分ける。
〈2〉部屋に入る前に手を洗う。風邪の多くは手から感染する。玄関で体を張ってでも手を洗わせよう。
〈3〉マフラーをして寝る。医師国家試験を控えた医学生の定番。ウイルスに感染しやすい声帯を温める。

スーパーサイエンスキッズ:小中学生5人決まる 末来の科学者育てるプロジェクト
「明日のダ・ヴィンチを探せ!」をテーマに未来の科学者を育てるプロジェクト「HPスーパーサイエンスキッズ」(実行委員会主催)に東京都三鷹市の中学1年生、野嶽俊則さんら5人が選ばれ、26日、東京都内で表彰式が開かれた。
同プロジェクトはサイエンス部門とアート部門の2部門に分かれ、サイエンス部門では野嶽さんのほか菊地優平さん(三鷹市、小6)▽小池亮介さん(東京都中野区、小4)が、アート部門では中曽根亘さん(同練馬区、中1)▽橋本真子さん(同大田区、小4)がそれぞれ選ばれた。
プロジェクトは05年12月にスタートし、今年で2回目。約60人がコンピューターを使った「作品コンテスト」に参加し、この中から第一次審査を通った15人が11月25日に開かれた最終選考会に残った。
課題はサイエンス部門が「時間を計れるものを作る」、アート部門は「未来の生き物を創造する」。竹ひごやビー玉、粘土などで計測装置や生き物を作り、コンピュータープログラムを作成するソフトウエア「スクイーク」を使って表現する。スクイークは、簡単な命令文でプログラムを作るソフトで、お絵かきソフトのように絵を描いて動かすことができる。野嶽さんは、ビー玉が3秒で転がる坂を作り、転がった先にたまっていくビー玉の重さから速さを計算する仕組みを考えた。橋本さんは、地球環境が悪化して地表に住めなくなった未来を想定。丸い体に羽が生えた空飛ぶ生き物をデザインした。
プロジェクトのアドバイザーを務める東京都杉並区立和田小学校の横山正・元校長は、「紙に描いたり、粘土で作るといった『アナログ』な作業をしてからパソコンで発展させることで、子供たちの発想が広がる」と話した。
最終選考会ではコンピューター上のシミュレーションに加え、科学的な考え方、工夫などが総合的に評価される。審査員は東京農工大の並木美太郎准教授ら6人が務めた。選ばれた5人は来春、米国の世界最先端の研究所を訪問し、科学者と交流する。

政府の教育再生会議が「徳育の教科化」を盛り込んだ第3次報告を公表した25日、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」(中教審)は、教科化を事実上見送るという全く逆の方針を打ち出した。
再生会議と中教審、方針正反対
児童・生徒に「道徳」を身につけてもらうためには、今の授業をどう変えればいいのか。学校現場の教師たちも、悩みや迷いを漏らしている。
都内の区立中学の男性教師(51)は、別の中学の同僚から、道徳の授業時間を「社会科の職場見学の準備に使った」と聞かされてあぜんとした経験がある。その中学では、職場見学をした後の礼状書きも道徳の時間を使っていた。
別の中学の同僚は、道徳の時間に居眠りをしたり、隠れて受験勉強したりする生徒がいても特に注意もしていなかった。
「道徳はほかの授業に比べて軽くみられていて、やってもやらなくてもいいと思っている先生がいる」
この男性教師はため息をついた。
教育再生会議が今回、従来の道徳の名称を「徳育」に替え、教科化を提案した背景には、若者のモラルが低下する中、児童・生徒だけでなく、教師、保護者も道徳の授業を軽んじているという現状がある。
座長代理の池田守男・資生堂相談役は「物が豊富になる今日、新しい規範意識がまだ確立されていない。その実現のためには教科化まで踏み込むべきだというのが再生会議の総意だ」と述べ、中教審に教科化を再検討するよう求めた。
しかし、教科化には慎重な声も多い。
現在の指導要領で、道徳は「すべての教科、教育活動を通じて育成するもの」とされ、教科とは別枠に位置づけられている。
教科にするには、〈1〉児童・生徒を数値で評価する〈2〉検定教科書を使用する〈3〉中学校以上は各教科専門の教員免許を設ける――といった変更も必要になる。
このため、中教審の審議では「心の内面を数値評価するのは無理」といった意見が続出。道徳を教科にするかどうかは、文部科学省が今年度中に改定する学習指導要領の中で決断するが、中教審が答申案に教科化を盛り込まなかったことで事実上、難しくなった。
今年度から総合学習の時間を使って、高校1年で道徳を必修にした茨城県。現場からは、「社会全体のマナーが低下しており、道徳教育は充実させるべきだ。しかし教科にすれば、教材などが一律になり、生徒や地域に応じた工夫が出来なくなるかもしれない」(取手一高の折戸喜美男教頭)という不安の声もあがっている。

「子どもたちの『学びのエンジン』を動かそう!」をテーマにした「第5回博報教育フォーラム」が来年2月23日、東京・丸の内の日本工業倶楽部で開かれる。
白梅学園大の無藤隆教授が基調講演。浜松市立中ノ町小、新潟県長岡市立青葉台中、京都市立伏見中の教諭らが、国語教育、国際理解教育、キャリア教育の立場から発表した後、無藤教授と討論する。午後1時〜5時で無料。1月31日締め切り。問い合わせは博報児童教育振興会内の事務局((電)03・3233・6788)へ。
政府の教育再生会議(野依良治座長)は25日、首相官邸で総会を開き、理科教育強化のために理科専科教員の設置を進めることや小中学校で「道徳」の教科化などを柱とした第3次報告を決定し、福田首相に提出した。同会議は来年1月、これまで3回の報告を踏まえ、最終報告を取りまとめる予定だ。
第3次報告は、「公教育の再生」を掲げ、〈1〉学力の向上〈2〉徳育と体育の重視〈3〉大学・大学院の抜本改革〈4〉学校の責任体制の確立――などを重点課題とした。
具体的には、2006年国際学習到達度調査(略称PISA)などで、理数系の学力水準が低下していることを踏まえ、小学校高学年に理科専科教員の設置を進めるなど、理科教育の強化を打ち出した。さらに、学力向上に向けた意見交換のため、各都道府県の代表者による「全国教育再生会議」の開催を提案した。
2次報告に続き、「道徳」を教科化し、偉人伝や古典などを活用して感動を与える教科書を作成することを打ち出した。だが、点数での評価はせず、学級担任が担当するとした。一方、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」は25日、次期学習指導要領の答申案で、事実上、道徳の教科化を見送った。
第3次報告の焦点だった「教育バウチャー制度」については事実上見送った。その代替案として、公立学校の学校選択制を通じて、児童・生徒数に応じた運営費を配分するモデル事業を実施することを明記した。
大学・大学院の抜本的な改革としては、国立大の大学・学部の再編や、大学全入時代を踏まえて入学定員の減少による質の向上を求めた。
さらに、子供の携帯電話にフィルタリング(選別)機能を義務づけるための法的規制の導入を求めた。
教育バウチャー制度 学校選択制の一種で、各家庭が行政機関から支給された「バウチャー」(クーポン券)を通いたい学校に渡し、学校はバウチャーの量に応じた補助金を受け取る制度。学校間の競争を促す一方、教育格差が拡大するとの懸念が出ている。
教育再生会議第3次報告 学校統廃合を支援 安倍色後退

政府の教育再生会議(野依良治座長)は25日、第3次報告を福田首相に提出した。子どもの数に合わせた学校の適正配置を進めるため、国が望ましい学校の規模を示して統廃合を支援すると明記した。従来、自治体の判断で進めてきた統廃合を、国が推進すべきだとの姿勢を示したものだ。学校間の競争を促す制度も、モデル事業として試行するとし、道徳を「徳育」として教科にすることも第2次報告に続いて盛り込んだ。
同会議は2月までに最終報告をとりまとめる予定だ。
同会議は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げた安倍前首相が設置。福田政権に代わってからは初の報告となる。安倍氏がこだわった国による学校評価システム導入が見送られるなど、「安倍色」の多くが消えた。一方、福田首相が政権の理念に掲げる「自立と共生」が「教育改革の重要な方向性」と位置づけられたが、そうした理念に沿った具体的な提言は乏しかった。
「教育バウチャー(金券)制度」は、「学校選択制」を導入した自治体で、児童・生徒数に応じて学校に予算を配分することを通じ、学校間の競争を促進する仕組み。安倍氏が導入に熱心だったが、委員の間から「金券のようなものを配る必要はない」と異論が出され、「バウチャー的な考え方を取り入れた学校改善システムをモデル事業として実施する」とされた。学校選択制を導入して児童生徒が集まる学校に予算配分を増やすが、金券は配らず、希望する自治体での試行にとどめる。
安倍氏が主導した学校や教育の第三者評価については、当初、国が主体となって評価することが検討されたが、「国による評価はなじまない」として、国は指標を示すにとどめ、評価は自治体にゆだねた。
学校の適正配置については、「教育効果を高めるため、国は、望ましい学校規模を提示する」と明記。統廃合を進める自治体には、離れた学校へ通うためのスクールバスの整備や廃校となった校舎の活用、教員定数の激変緩和に支援策を講じるとした。
中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で慎重な意見が相次いでいる徳育については、改めて「教科化し、年間を通じて計画的に指導する」と盛り込んだ。
このほか、大学で英語を使った授業を全体の30%に増やすことも盛り込んだ。
第2次報告で残されていた6・3・3・4制の見直しや義務教育での飛び級・留年は賛否が割れ、引き続き検討するとして結論が先送りされた。
大学院交流:東大、京大、早慶が協定 他大学で受講認める−−修士1年、博士2年
東京大、京都大、慶応大、早稲田大の4大学は25日、大学院の学生交流に関する協定を締結した。修士と博士課程に在籍する院生が、協定先の別の大学で研究指導や講義を受けることを認める。優れた研究者を育てるのが目的で、国立と私立の枠を飛び越えた大規模な連携は珍しい。
交流開始は08年4月。修士課程は最大1年、博士課程は最大2年まで他大での受講を認める。4大のトップが集まった会見で、慶大の安西祐一郎塾長は「大学間の国際競争が激しくなる中、日本が影響力を持つためにトップレベルの大学が連携した意味は大きい」と語り、小宮山宏・東大学長は「もっと強い日本の大学を作るために、大学院生が流動化することが必要」と話した。
大学院生交流:東大、京大、慶大、早大が指導連携で協定
東京大、京都大、慶応大、早稲田大の4大学は25日、大学院の学生交流に関する協定を締結した。修士と博士課程に在籍する院生が、協定先の別の大学で研究指導や講義を受けることを認める。優れた研究者を育てるのが目的で、国立と私立の枠を飛び越えた大規模な連携は珍しい。
交流開始は08年4月。修士課程は最大1年、博士課程は最大2年まで他大での受講を認める。4大のトップが集まった会見で、慶大の安西祐一郎塾長は「大学間の国際競争が激しくなる中、日本が影響力を持つためにトップレベルの大学が連携した意味は大きい」と語り、小宮山宏・東大学長は「もっと強い日本の大学を作るために、大学院生が流動化することが必要」と話した。
学校評価に集計ソフト活用…来年度開校「東三鷹学園」

来年度から小中一貫教育校「東三鷹学園」となる東京都三鷹市立第六中、第一小、北野小の3校が、各校の学校評価を活用し、来年度の授業計画や体制作りを進めている。
教職員、児童生徒、保護者のアンケートなど、膨大な量の情報を集計・分析するのに、インターネット上の集計ソフトが威力を発揮している。
三鷹市では、昨年開校した「にしみたか学園」を手始めとし、2年後には市内全22小中学校を中学校区単位で小中一貫教育校とする計画を進めている。既存の学校を残しながら9年間の統合カリキュラムを作り、教師や児童生徒が各校を行き来する形を取る。
今月13日には「東三鷹学園」の開設準備委員会が開かれ、11月下旬に各校で実施した児童生徒、保護者、地域住民の学校評価アンケートと、児童生徒の授業アンケートの結果が地域住民らに公表された。
保護者アンケからは、小中ともに「いじめや暴力がないようにする」「悩みや問題の相談をする」、特に中学では「わかりやすい授業をする」ことが優先課題として示された。授業アンケでは、学年が進むにつれ「授業が楽しい」「よくわかる」が減る教科があった。
3校の保護者や児童生徒の回答は3300枚以上。作業の中心となった北野小の高橋京子校長(54)は「教員1人が手集計する従来の方法では1校分だけで1か月以上はかかる」と指摘する。それが短期間で済んだのは、金子郁容・慶応大教授がリーダーを務める「学校評価支援プロジェクト」が開発したソフト「SQS(共有型アンケート調査支援システム)」を利用したからだ。
SQSはマークシート方式の調査票を作成、スキャナーで読み取った後の集計、グラフ作成ができるソフトで、ネットから無料でダウンロードできる。アンケートの各項目は重要度と実現度を聞くようになっており、クロス分析で優先課題も分かる。
宮城、岩手、群馬各県の公立学校などで導入されているが、学校のネット環境が未整備で、中級レベルのパソコン技術が必要なことなどがネックとなり、普及が進まないのが現状だ。「東三鷹」各校ではネットの安全面の問題もあって、前年からSQSを使う、「にしみたか」各校の設備を借りて集計した。
授業アンケは学期ごとに実施し、教職員の自己評価にもSQSを活用する方針。「小中のスムーズな連携には、課題を見つけて即座に対応することが欠かせない。教師の負担が減るのもありがたい」と語る高橋校長は、今後はSQSを学力テストにも活用したいとしている。

民主党は24日、参院選で公約に掲げた「高校教育無償化」を具体化するため、来年の通常国会に国公立の高校・高等専門学校の授業料を無償化するための法案を提出する方針を固めた。
無償化のための予算は年間で2788億円と試算している。
法案は新法として提出し、国公立の高校などの授業料を国が全額補助する内容。現在の国公立の高校・高等専門学校の授業料は、公立高校が各県で若干違うが、「1か月で約1万円」(文部科学省児童生徒課)とされる。現状では、保護者の経済的負担を軽減する措置として、各自治体が奨学金の支給や授業料、入学金などの減免を行っている。
だが、民主党は「高校通学は事実上、義務教育化している」として、小中学校と同じように高校の授業料無償化を主張。夏の参院選の政権公約(マニフェスト)に「高校は希望者全入とし、無償化する」と明記した。
民主党は公立校だけでなく私立高校も含めて無償化した場合は、総額で3967億円の予算が必要だと試算した。
党内には、私立高校まで無償化すれば予算額が大幅に増えることや公立高校の衰退につながるとの指摘もあり、私立校については、国公立高校の授業料と同程度の補助を私立学校に通う生徒の家庭に支給する案を検討している。
ただ、与党側は、高校教育の無償化には慎重な姿勢で、法案は参院を通過後、衆院で否決される可能性が高い。
大学入試問題に正答2つ? 物理学会の異議で混乱 韓国
韓国で11月に行われた全国一斉大学入試の物理の問題について、韓国物理学会が設問にミスがあり、「正答は2つある」と異議を唱えたのに対し、入試問題を監督する教育課程評価院が「問題はない」と主張、受験生を巻き込んだ混乱が広がっている。試験結果を受けて、志望大学への志願が始まっており、一部の受験生は不満を強めている。
問題になったのは、物理の理想気体に関する設問。受験生の指摘を受けて精査した物理学会は、理想気体には「単原子分子」と「多原子分子」があるが、設問には明示がなく、多原子分子と想定した場合、正答が2つになると結論付け、22日に発表した。
物理学の権威による批判に評価院も反論。「多原子分子の理想気体」は高校の教育課程には含まれておらず、「問題はない」として正答を変更しない立場を強調した。ただ、一部の教科書は「多原子分子」に触れており、混乱に拍車を掛けている。
英会話学校大手NOVAの事業の一部を引き継いでいるジー・エデュケーション(名古屋市)は24日、再雇用を希望している約800人の外国人講師の再雇用をいったん断念する、と発表した。同社は当初、NOVAの全国約600校のうち、200校を継承する目標だったが、旧NOVA時代の長期の家賃滞納などの理由で126校にとどまっており、これ以上の雇用は難しいと判断したという。
ただ、同社は今後開く予定の校舎などで200人程度の追加雇用を検討しており、この約800人を対象に25日から個別面談を始めるという。
同社はすでに旧NOVAの外国人講師ら計1447人を再雇用している。今回、再雇用を断念した約800人の多くは同社から一律15万円の帰国支援金を受け取って母国へ帰っているという。
また、同社はテレビ電話を使った「お茶の間留学」事業について、大阪市にあるセンターを米国や中国など海外4カ国へ移転する方針も示した。
学習研究社(学研)は21日、埼玉県地盤で中学生主体の学習塾を展開する秀文社に対し株式公開買い付け(TOB)を実施し、子会社化すると発表した。学研は昨年来、進学塾「桐杏学園」を運営するアンセス、北九州地盤の照和を相次いで買収するなど規模拡大を進めている。
買い付け期間は26日から来年2月7日で、1株当たりの買い付け価格は8860円。発行済み株式の50・1%の取得が目標で、50・1%の買い付け総額は6億6500万円となる。秀文社は今年3月時点で64教室を展開する。
東京工業大学(東京都目黒区)は21日、来年度から大学院博士課程に進学するすべての学生について、授業料(年額53万5800円)を実質的にゼロにすると発表した。東京大が来年度から大半の博士院生に同様の支援をするが、全員を対象にするのは国立大学で初めて。東京大との「頭脳」獲得競争が激しくなるとともに、他大学にも波及しそうだ。
東工大の博士課程に進むのは約540人。このうち、日本学術振興会から経済的支援を受けたり、授業料免除になったりしている学生を除く約400人を研究補助者(RA)、教育補助者(TA)にし、報酬として授業料相当額を払う。
東工大では「国際競争力のある若手の研究者・技術者を育成するために優秀な学生を確保したい」としている。年間約2億円の財源は経費の節減などで工面する。
日本語を世界に売り込め――。外務省は、海外で日本語を教える拠点を今後3年間に、現在の10か所から約100か所に増やす方針だ。来年度予算案に2億1000万円を盛り込み、70か所増やす。
中国に対抗 3年で10倍に
中国が中国語教育の「孔子学院」を次々と設けていることに対抗し、外務省広報文化交流部は「一目で日本語講座とわかる名称を考えたい」としており、「紫式部日本語講座」とするアイデアも検討されている。
海外の日本語学習人口は2006年時点で133か国・地域の298万人となっている。1979年当時の約23倍で、03年と比べても約62万人増えているが、今後は伸び悩むと見られている。
これに対し、中国はこの2年間で「孔子学院」を188か所に設けた。中国経済の拡大で「中国語学習熱」は広がっており、外務省は「日本語人口の多い東南アジアなども中国語に席巻される」との危機感を募らせている。
中国以外でも、語学講座のある海外拠点として、フランスが「日仏学院」など950か所、ドイツが直営の語学教室「ゲーテ・インスティトゥート」を101か所設置するなど、日本を上回っている。
現在、日本語普及拠点は、外務省所管の独立行政法人「国際交流基金」が直営する10か所にとどまっている。外務省は、施設を新たに設けたり、自前で講師を雇ったりする従来の方式を改め、コンビニエンスストアなどの店舗拡大に利用される「フランチャイズ方式」を採用する。日本語講座のある大学や民間の日本語学校などにテキストや学習ノウハウを提供するもので、低予算で拠点を増やすことが可能となる。
また、外務省は、世界的に人気を集めている日本のアニメやポップカルチャーを紹介できる日本語教師を、こうした日本語普及拠点に派遣する。来年度はハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ルーマニアに30人を派遣する。
神奈川県厚木市の市立妻田小学校で、4年生の男児が11月、担任の男性教諭(52)によって頭を教卓に数度打ち付けられ、脳振盪(しんとう)を起こしていたことが分かった。厚木市教育委員会は事実関係を認め、「大変遺憾。申し訳ない」としており、25日にも県教育委員会に報告書を提出する。
市教委によると、11月19日の給食の時間に、給食当番だった男児が配膳(はいぜん)をせずにほかの児童と廊下で遊んでいた。このため教諭は児童の肩をつかんで教室に連れ戻し、当番の仕事をするよう指導した。その際に児童に手を払われたことや反発されたことに腹を立て、右手で児童の額をつかみ、後頭部を教卓に複数回、打ち付けたという。教諭は「強い力で2回以上はやったが、カッとしてそれ以上は覚えていない」と話しているという。
児童は食欲をなくして給食をほとんど食べずに保健室へ行き、教頭らの指示で病院で診察を受けたところ、脳振盪と診断された。翌日は大事を取って休んだという。
教諭は校長の判断で、同26日から担任を外れた。両親には謝罪しているが、児童は「(教諭に)会いたくない」「学校にいてほしくない」と面会を拒んでいるという。
日本語学校:海外で現在わずか10カ所 300カ所に−−政府が3年計画
◇直営日本語学校300カ所に−−アニメ人気、学習者急増
政府は来年度から3年間で、現在世界10カ国にある直営の日本語学校を300カ所に増やす。アジアを中心に広がる学習熱に遅まきながら応えていく。
独立行政法人・国際交流基金を通じて政府が海外で運営する日本語学校は、現在わずか10カ所(学習者3000人)。各国政府の直営語学学校は、フランス950カ所(同58万人)▽英国126カ所(同30万人)▽中国188カ所(不明)。日本は圧倒的に少ない。
日本語学習は元々ビジネス目的が中心だったが、近年は「メード・イン・ジャパン」の漫画やアニメ人気でうなぎ登りに急増。アジアを中心に約300万人(06年)が学んでいるが、大半は現地の大学や民間語学学校などに通っている。
直営だけでなく、現地の大学を借りるなど低コスト化にも努める。今後、増加が予想される外国人労働者の来日前の研修機関としても活用する考えだ。
「道徳、教材充実が重要」 中教審、教科化是非明記せず
年度内に予定されている学習指導要領の改訂をめぐり、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の教育課程部会が21日開かれ、文科省が答申素案を示した。「道徳の時間」の教育課程上の位置づけについては「様々な意見が見られる」と記したうえで、「教材の充実が重要である」とし、「教科」にすべきか否かは明記しなかった。
政府の教育再生会議は道徳の時間を「徳育」と改め、教科化すべきだと主張している。中教審では教科にすることに反対する意見が大半を占めているが、答申素案に明記しなかったことで、1月にも答申を受け取る渡海文科相の判断が注目されることになる。
答申素案では「道徳教育を充実・強化すべきだという認識は一致」と指摘。教材を充実させる手段として「指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材を、教科書に準じたものとして十分に活用するような支援策を講ずることが考えられる」としている。また、「多様な教材を認めつつ、内容や活用の一層の充実が重要」とし、検定教科書には否定的な表現となった。